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​松浦堂Meeting Vol.7

2017.4.29 下北沢Circus
  〜店主によるアレンジ解析〜

小松(以下、こ):はい!お待たせしました。

では後半をスタートしますが。ご飯召し上がりましたかー?

松浦(以下、ま):食べたよー!相変わらず美味しかった!!

こ:美味しいですよねぇ!!

そんなわけで、後編はもうひとつの企画

「あなたの楽曲をアドバイスしますよ」のコーナーをやりたいと思います!

あらかじめ、データを送ってくださった方ありがとうございます!

ま:昨日、データの整理をしていたときも、あえてお互い何も言わなかったんだよねー

こ:そうですね!今日この時にどんな話ができるのか楽しみにしていたので…

なにより直接アドバイスをもらえるなんて機会があること自体すごいなーって思っちゃって

ま:このPCを一式持ち歩くことなんてないからねー

こ:そうですよね(笑)

 

ではでは、早速ですが1曲目に行きましょう!

 

〜視聴タイム〜

 

ま:これはどういう感じで書いたの?

作者:楽しくなるために書きました

こ:聞いてる人が楽しくなるようにかな?

作者:いや、全部ひっくるめてみんなでです

こ:みんなでなのね!平和主義者ですなー

ま:どんなことが聞いてみたいとかある?

作者:えっと…全部聞きたいです!

こ:僕をダメ出ししてください、みたいな顔してるけど大丈夫なの??(笑)

作者:…大丈夫です!!

ま:そうなのね。えっと、1つ言うとしたら、Bメロでリズムの雰囲気を変えるじゃない?あとそのあとのサビでも変わってたよね?

作者:はい

ま:Bメロでちょっと仕掛けが多すぎるかなって思ったんだよね。

やるならサイズ感的には半分でよかったかもね!それとサビの頭で引っ張ってるのはいいんだけど、戻ってくるのが遅いかなぁ。リズムのグルーヴがさ

こ:あぁ、グルーヴ感がもたりますね

ま:そうなのよ。もし引っ張るのらもう少し早く返ってくるようにできるならスリルがあっていいかな!予定調和でもなくなるし、おぉ!ってなるかな

作者:はい…

こ:なんだか凄い嬉しそうですねー!(笑)

ま:ホントだね。(笑)あとさ、これって何で作ったの?

作者:ロジックです

ま:そしたら、ドラムとギターとベースがそれぞれタイム感がずれてるんだよね。いわゆる

ディレーションっていうの?遅延ってやつなのかなって思うんだけど、それも上手に見たほうがいいと思うんだよね。

こ:もっとタイトにってことですかね

ま:そうだねー。せっかくグルーヴィーな曲なんだからさ。

こ:なるほど。でも楽しいかんじはありますよね

ま:そうそう。楽しい曲ではあるんだけどまとめると、サビもAメロもいい感じなんだけどBメロが長いかなってところだね。あと、サビを繰り返すところでもう一回引っ張るところがあるけどそこはストレートに進んでもいいかな。あえて何回も同じことすることで印象付ける曲もあるけど、この曲はそうじゃないほうが嫌味なく聞けるよね。

…っていうかんじでいいかしら?他に聞きたいことある?

作者:ありがとうございます!少し話が逸れてしまうかもしれないですが、もし松浦さんが踊れるような曲にアレンジしてくださいって言われた場合どんな感じにしますか?この僕が作った曲で、って質問ではないんですが…

こ:その踊れるっていうのは、心が踊るやつかな?それとも本当に体を使って踊る方?

作者:後者です。体を使って踊る方です。例えばマイケルジャクソンとかが依頼してきて踊るような曲をって言われた時にどんなことを気にかけますか?

ま:そうだねー。まずはグルーヴ感が大事かな。ブラックミュージックの要素を使うか否か、とか。それと音色的なことも気にするかな。ブラックミュージックならこの音は使わないかなー、とか考えたり。まあ踊れる曲にしてくださいって言う場合はとにかくビートを強めにしたほうがいいと思うので、グルーヴ感とドラムとかリズム隊をタイトにビシッと決めたり。他の楽器隊もあんまり厚ぼったくならないようにスッキリさせてたり、弦を入れるとしてもがさっとまとまって音を出したと思ったらすぐやめたりするようにしたり、かなぁ。

こんな感じでどうでしょう?

作者:はい、ありがとうございます!!!

 

こ:では、どんどん行きましょう!2曲目ですね

 

〜視聴タイム〜

 

ま:この曲はあれだね、なんだかゴシックっぽいね。なんか一箇所音がぶつかるところがあるけどそれはそれでいいかんじなんだよね。

こ:ありましたね!これは歌は入らないのかな?

作者:最初は歌も入れるつもりで作っていたんですけど、やってくうちにインストの方がいいなって思ったものです。

ま:なるほど。一つ言えるのは、メロディを追ってるのはピアノでいいのかな?

作者:メロディってことではないんですけど、前に一番出てるのはピアノですね。

ま:そうだよね。歌ものの場合は歌が主役になるんだけど、インストの場合は必ずしもこれが主役だってのがない時もあるよね。音楽を作る上で、何をフォーカスするかセクションによってどこで誰が主役なのか分かるようにすると伝わりやすくなっていいと思うんだよね。もちろん歌の代わりに何かが(この曲ならピアノが前に)いるのもいいんだけど、鬱陶しく感じちゃうというか…。セクションによって、すーって引いてみて別の弦楽器が乗ってきて。かと思うと引いた楽器が戻ってきたり、はたまたトランペットとか違う楽器が前にでてきたり…って感じに、もっとフォーカスするものをいろいろ考えてみるとよりいいかもね。

ここはピアノ、ここはクラリネット、ここはみんなで…とかね。言ってることわかるかな?

 

作者:それはボリューム的な問題ではなくてですか?

ま:うん、ボリュームもそうだけどそれだけではなくて。例えば、僕が今話してる横で、小松も一緒になってがんがん話し出したらみんなはうるさいなって思うよね?

こ:それは…(笑)でも、そうですね。僕の番なのに!ってなるかもですねー

ま:そうだよね。2人してお互いでしゃばってるなー!ってなるよね?友達と話してる時も、誰かがしゃべってれば誰かは相槌を打ってる人がいたり笑ってるだけの人がいたりっていうのがあるし、自然とそうなるよね。それと同じように音楽でも自然と行われることがあれば、もっと快適になるし聞いてる人にも伝わるものになるよね。ってことなんだけど。

作者:はい、ありがとうございます

ま:さっき、音がぶつかってるところがあるって言ったけど、極論を言うと音がぶつかってて悪いことではないんだよね。

こ:ほう。そうですよね

ま:ただ、それが愉快であるかどうかってことが大事なことなのね。例えば、すごく優しい気持ちで聞いてる時に急にぶつかる音があったりすると、せっかくいい気持ちなのに空気読めよ的な気持ちになっちゃったりするからそうはならないようにした方がいいんだけど。

例外的に、逆の発想でいい流れのと急で音がぶつかって、なんだこれ!って病みつきになるというか、突然毒があるかんじがまたいい時もあるから難しいところなんだけどさ…

作者:それは聞いてみての感覚ですか?

ま:そうだね!まさしく聞いてみてから感じることですね。そして、作り手のデリカシーの問題なのでもちろん分かっていただけない場合もあるわけで(笑)

こ:そうですよね(笑)

ま:僕は若い頃に「松浦さん、もっと普通にならないですか?」なんて言われたことあって、普通ってなんだよってかちんときちゃったりしてたんだけど。そういうことなんだよね。だから、この曲もデリカシーの部分とか主役は誰だってところをもう少し考えてみたりするといいのかもね。

こ:他に何か聞きたいことありますか?

作者:この曲は静かな曲なのでどこにフォーカスしたらいいかって考えると、ストリングスにもう少しフォーカスしたいとは思うんですけど、やり方が逆にわからないんですが…

ま:フォーカスっていうと、主役を出すって考えるよね。

作者:はい

ま:でもね、その逆もあるからね!どこを主役にするかってだけじゃなくて、極端なことを言うと、他が全部休んじゃえばいいんだよ。

こ:そうすると自然とフォーカスされますね!

ま:他の楽器を全部休ませちゃうっていうのも一つの表現方法としてはありなんだよね。

さっきの友達との会話のときに相槌だけの人もいるって言ったことを思い出してもらいたいんだけど、曲作りも一緒で他を静かにするとかっていうのはフォーカスすることになるんだよ。鍵盤を使う時も同じ音域で鳴らすんじゃなくて低い音とか高い音で違う動きをしてみたり、棲み分けをするとやかましくないのと同じなんですよ。

こ:みんなが同じ椅子に座ろうとして椅子取りゲームみたいになっちゃうわけですね!

ま:そうそう!棲み分けってそうゆうことね。伝わったかな?

作者:はい!ありがとうございました!!

 

こ:では、次の3曲目に行ってみましょう

 

〜視聴タイム〜

 

ま:これはオケだけ?メロディはないのかな?

作者:メロディはフルートで演奏しているので流れるのはオケだけです!

ま:じゃあ、ある想定で聞いてみればいいのね。これはさっきの1曲目のときのグルーヴの話と同じことが言えるんだけど、ベースのアクセントの位置とピアノのアクセントの位置とドラムの感じてる位置とちょっとずつずれてるんだよね。ブレイクになった時に誰のアクセントに乗っかってるのかわからないからスムーズじゃないんだ。

原因としては、ピアノとベースをもう少し揃えるといいのかもね。そうするとメロディのフルートが吹きやすくなってくると思うんだが…

こ;なるほど

ま:揃ってくるとグルーヴが重なりすぎることもなく曲にスペースができるはずだから、そこでフルートが自由に演奏しやすくなると思うな。

このままのオケで吹くことも可能なんだけど、そうすると自分は自分でいいやってなっちゃうと思うし、オケと寄り添えなくなって聞いてる側からするとやかましくなって機嫌がよくなくなるんだよねー。

つまり、オケのグルーヴ感を合わせるとスペースができるって言ったけど、そうすると2曲目の時に話したフォーカスされるものが浮き彫りになってくるから、さっきの周りが静かになるとやつとはまた違った表現方法として成り立つんだよね。主役が自由にできると主役が目立つってことになるんだけど分かるかな?

作者:はい。ありがとうございます!あと、聞きたいことがあるんですけど最後のアウトロのところで同じ音をわざと3回繰り返してるんですけど力技すぎるかなって思ったんですけどどうですか?

ま:そうだね。変えるとしたら、ボイシング(和音)を変えてみたりするといいかもしれないね!

(〜ピアノで実演〜)こんな感じで変わると印象が違うの分かるかな?

作者:はい!ありがとうございます!!

 

こ:はい!どれも内容が繋がってますねー!では、次で折り返しの4曲目ですね

ま:もうそんな時間経ったのね!いってみましょう

 

〜視聴タイム〜

 

ま:なるほど。この曲はサビでもうちょっと展開した方がいいかなって思います。コードを変えるのもひとつの手だと思うんだけど…

メロディのセンテンスが一定というか。どこかで裏切ってちょっとあげたらいいんじゃないかな?って。Aメロからサビまでわりとそのままな感じなので、スタート(入り口)だけ同じだとしても途中から変化をつけてあげるといいとおもうなぁ。

(〜ピアノで実演〜)

なんて感じで変えてみると、物語が進んでいく感じがするし

今自分がいるところから一歩踏み出してみるといいですね。

あとは、全体的に長いかなぁ!少し変化があるところもあるけど、

似てるところが多いからもう少しアレンジしたり、全体のテンポを変えて

みたりするといいかな。間奏も半分くらいにするとスッキリするね!

作者:なるほど…わかりました。質問なんですが、全体的にキーボード中心に

やってるけど松浦さんならどんな入り方というか、どんな楽器でアレンジしますか?

ま:んー。どこに行きたいかによるけど、ドラム入れてもいいなって思ったかな!

わりとロックっぽいノリのやつを足すと歌にも合うしかっこいいかなって

こ:なるほど!声にもあって素敵ですね

ま:そうなんだよ!声はいい感じだからきっともっとよくなると思うんだよね。

他に何かありますか?

作者:大丈夫です!ありがとうございます!

 

こ:どんどんいきますか!5曲目です

 

〜視聴タイム〜

 

ま:これはアカペラなんだね!だいぶまとまってると思うけど

作者:ありがとうございます。でも、短くてぎゅっとしすぎてなかなか入り込み辛いんじゃないかと思って…

ま:そんなことないんじゃないかな?だってビートルズだって初めの頃は2分くらいしかない曲があったんだから。ものすごい勢いで入ってものすごい勢いで終わるやつだったけど、あのくらいの潔さがよかったりするんですよ。

楽器は弾けないのかな?

作者:まだギターを始めたばかりです

ま:そうなんだ。そうしたら、せっかくだから踊りながらやってみたら?っていうのもクラップとフットをやってみるだけでだいぶ変わると思うんだけど

作者:楽器だけにこだわることないってことですか?

ま:そうだよ。ストンプをするのも一つの方法だと思うね!

こ:歌詞が…ふふふってなりますね!(笑)

ま:そうだね(笑)こちらは大人だからね!ドキドキしちゃうよね

(会場:笑)

こ:耳のやり場に困っちゃいますねー

ま:そうね!上手いこと言うね!目のやり場に困るというか、耳のやり場に困るやつだね。(笑)曲自体は、全体的にまとまってるから問題ないと思うけど、他に質問あるかな?

作者:ありがとうございます!

 

こ:はい、では次の6曲目にいきますね!

 

〜視聴タイム〜

 

ま:これは自分で歌ってるの?

作者:姉に歌ってもらってます!

ま:そうか!声が似てるけどだいぶ高いなと思ったのはそういうことか。

フルコーラスあってうまくまとまってて悪いところはないと思うんだけど。

一つ言うならば、大サビがあってそのあとに落ちサビがきてるんだけど、そういう曲って一時期みんながやりすぎてなんだかな…って思うんだよね。僕がそういうアレンジを頼まれたら嫌ですって言っちゃうな。やりたくなっちゃう気持ちはわかるんだけどね!

そんで、僕がこの曲にもし手を加えるんであれば大筋はこのままの流れでやるけど、二箇所変えるかな。

こ:どこらへんですか?

ま:まずはBメロかな。Bメロだけドラムのリズムのパターンを変えてみるとだいぶ雰囲気変わると思うし、そのあとにサビでまた元の流れに戻すと変わったっていうストレスから解放されてスパって気持ちよくなると思うよ。あとはDメロ終わりもちょっといじれば落とさなくてもいい感じになるかもなって。今の感じで音が流れてるよりブレイクにしちゃって次の頭を抜いたほうがかっこいい気がする!キメを作っちゃったほうがスリリングな感じがしていいと思うなー!って感じだけど大丈夫?他にはあるかな?

作者:はい。たくさんお話しいただきありがとうございます!

 

こ:では、これで提供曲はすべて聞いていただきました!

ま:もう終わりなのね!あっという間でしたね

こ:そうですねー!みなさん勇気を持って自分の曲を提供していただきありがとうございました

ま:そうだよね。提供していただく時点で勇気がだいぶいるのに、きてる人の前で流すってすごいことだよね…本当にありがとうございます。

こ:では、これにて終了ということになりますが…

会場:すみません!飛び入りで1曲聞いていただきたいものがあるんですが!!

ま:なになに!今コーナーを終わらせようとしてるところなのに突然だね!(笑)

どうやって聞けばいいかな?

会場:USBをもってきてます!

こ:すごいな(笑)じゃあ、聞いてみますか

〜バースデーソング♪〜

(会場全体で松浦さんへ歌う)

 

こ:ドッキリです!松浦さん、おめでとうございます!!

(会場 拍手!)

 

ま:そうなの?ありがとうございます!でももう一回歌ってもらっていいかな?

〜バースデーソング♪〜

(会場全体で小松さんへ歌う)ケーキ登場!

 

こ:えー!!!ケーキが準備されてるんですか!なにこれ!

わー嬉しい!!!ありがとうございます!!!

ま:お互い、仕込んでたのね(笑)

こ:僕らからは松浦さんにお花を差し上げようと思って持ってきてます!

ま:1人ずつからお花を渡してもらえるなんて…

こ:これにて松浦堂第七回は終了となります!

皆様、ご来場いただきありがとうございました!!!

次回は夏に開催するのでお楽しみに!

​ま:ありがとうございました!

後編

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