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執筆者の写真松浦堂

第十回松浦堂Meeting

更新日:2019年6月12日

2018.8.19 下北沢Circus


記念すべき第十回のゲストは、音楽プロデューサーとして数々のミリオンを送り出し、現在はニュージーランドに移住しながら、執筆、講演、オンラインサロン主宰など多岐に渡って活躍を続ける〜森の達人〜四角大輔氏を迎えてのトークセッション。


 

小松 今日はお越しいただきありがとうございます! アンバサダーの小松です!

松浦 松浦堂店主の松浦です!

今日はお越しいただきありがとうございます! 早速ですが、本日のゲストはですね。

僕の戦友であり阿吽の呼吸でいろんな苦難を乗り越えてきた方です。

とにかく、生き方が面白い方なんです。

なんていうかな、ものすごくユニークで生きる力があるっていうのかな?

エネルギーがある方なので楽しい話がいっぱい聞けると思います! お呼びしましょうか!四角大輔さんです!!

小松 よろしくお願いします! 今日はお2人からどんな暴露話が聞けるのか楽しみにしてます!笑

四角 よろしくお願いします! たぶん、話していくうちに「そうだったの??」ってことがたくさんあるんでしょうねー! さっき、生きる力があるって言葉嬉しかったです!



・・・・・・・・・・・・・・


松浦さんをはじめにご紹介してもらったときに

音楽プロデューサーって聞いてて、

僕も大きな括りでいうと音楽プロデューサーに入るとは思うんですけど。

音楽プロデューサーって、音楽を作る人であって、

僕は音楽を作る場にはいるけど実際手を動かす訳ではないんですよね。

僕も関わることに変わりはないので、

言葉で表すなら音楽プロデューサーってことになるんですけど、

あくまで進行管理をしたり方向性がずれないように確認したり。

そして、できたものを売るっていうのが僕の本業なんです。

松浦 それが大変なんだよねー。

四角 大変ですよー!でも僕はそれが得意だったんです。 多くの音楽プロデューサーは、

 『作るなら作る、売るなら売る』って感じで関わり会うことがなかなかないんですけど

僕の場合はどっちも関わるっていうスタンスでそれが独特だったんですよね。 ただ、松浦さんとのコンビネーションだと、松浦さんが完璧なものを作っていただけるので

僕も僕のできることをちゃんとしないとって、売ることを集中的にやってこれたんですよね!

松浦 まさにそうだねー!



2人の出会いは?

小松 もともとの2人の出会いはどういった感じだったですか?

松浦 初めはね、CHEMISTRYのときだったんだよね。 僕が曲を書いたんだよね!

四角 CHEMISTRYですね!

CHEMISTRYのファーストアルバムの

「The Way We Are」ってみなさん知ってますか?

その中の一番最後の「Motherland」という曲を松浦さんに作曲していただいたんです。

僕はその頃若手で駆け出しだったんですけど、CHEMISTRYの担当をしていたんです。 ファーストシングル「PIECES OF A DREAM」がミリオンセラーになって、

「Point of No Return」「You Go Your Way」とどんどん売れていったんですけど、

その3曲が入ってるファーストアルバムの中で、

松浦さんが作曲した「Motherland」がなんだか他の曲とは違って、

リズムとかトラックとか当時のR&Bの中で明らかに最新の音だと思ったんです!

その頃一気に売れきてたCHEMISTRYの2人の人間らしさが出る曲を

どうしてもアルバムに入れたいっていう想いがあったので、

僕が大好きですごく血の通った歌詞を手がけることのできる

浅田信一さんという方に作詞をお願いしたんです。

その時に作曲ならば、松浦さんだ!と、お名前を聞いてその時初めて松浦さんを知ったんです。

それまで面識なかったんですよね。

松浦 そういう経緯があったのね!知らなかったなー! あの頃、CHEMISTRYの楽曲ってものすごい数の応募があったんでしょう?

四角 そうなんですよ!

初めの頃は200〜300曲で、どんどん増えていって

1000曲まで膨らんだこともありました!

松浦 そうだよねー!

僕は普段サウンドプロデューサーだなら作曲することはあまりなかったんだけど、

何曲か作曲して撮り溜めておいた中のひとつが「Motherland」なんだよね。

あの頃は打ち込みのR&Bが流行ってたけど、

もっとオーガニックな感じでソウルミュージックっぽいものを

作りたいなーと思ってたんだよ。

四角 失礼ながら、当時「Motherland」で出会った頃は

松浦さんは作曲する方だと思ってました!笑 秘密の話なんですけど、実は僕が関わるアルバムの中で、

一番最後の曲が一番好きな曲なんです! リスナーのみなさんが何気なく聞いてるアルバムの中でも

曲順はすごーく考えるんです。

曲の間の秒数も大事ですし、順番によって

伝わるメッセージが全然変わっちゃうんですよね。 僕はかなりの曲順フェチで、絶対一番最後に

「Motherland」にしようって即決しちゃうくらい大好きなんです。

小松 曲順フェチって初めて聞きました!でもそれくらい曲順は大事なんですよね。



もの作りの中でも信頼関係が大事

四角 僕は15年レコード会社に勤めてたんですけど、

松浦さんと一緒の時が一番楽しかったです!

松浦 ほんとに?!それは嬉しいなー。 なんだか四角くんは「何考えてるんだろう?」って思うことがなかったんだよね。

色々クリアで裏表ないし、やったことはちゃんとしようって人だなーと思ったよ! 映画製作でも何でも言えることなんだけど、

誰か1人がえらいなんてなくて、みんなで集まってもの作りをしないと1人では完結できないんだよね。

1人でパソコンに向かったら出来るもの作りもあるけど、

そのパソコンのソフトだって誰かが作ったものだったり。

本当に1人で出来ることなんてないんだよね!

発想だって誰かに刺激を受けてるし、みんなで集まっていろんな叡智を持ち寄って何かを作っていくと、

1人で作るものとは別物が出来上がるはずなんだよね!ちゃんといい意味で。 それでね、みんなで持ち寄って…っていう時にそもそも信頼関係ができないとすごい難しいんだよね! 音楽を作る時もそうだし、ものを作るときの発想って身の危険を感じたりするとろくなものできないんだよね。

ビジネスも意識しないといけないとなるとすごく警戒してしまうんだけど、

四角くんはそれを僕に任せてくださいって守ってくれる信頼感があるんだよね。 「その辺の分かんないことは僕がやっておくんで、

松浦さんは音楽を作ることに集中してください」っていうエネルギーを感じるんだよ。

そうすると、

「じゃあ僕は好きに音楽作って、

こんなのどう?って言っていいんだ」っていう気持ちでつくれるんだよね。

クリエイターとしてはすごく有り難いことでなんです。

音楽を一緒に作ってるっていっても一緒に音を出してるわけではなく

ちゃんとそれぞれの役割があって、信頼関係があって、一緒にやる意味がある、

なんなら一緒じゃないとやる意味がないと思わせてくれる人なんだよね。四角くんは。

四角 めちゃくちゃ嬉しいです!

こういう話したことなかったし、何より僕自身が仕事で意識してたところだったので。 僕にとって、音楽が生まれる現場であり、

アートが生まれる現場であるスタジオは聖域なんですよ。絶

対に汚したくない場所なんです。 でも、汚そうとする人は実は山ほど居るんです!

それが許せないし、そういう人と戦うのが僕は得意だったんです。笑 そういう人からアーティストを守るって言うだけは簡単なんですけど、いろいろ戦略を練ってましたね。 基本的にアーティストには好きにしていいからって言って、

ポイントポイントでスタジオに入って滅多に何も言わないんですけど、

これは…ってこととか何か聞かれた時には答えてましたね!

松浦さんも突然聞いてくることありましたよね?笑 今くるかー!って思いながら全神経使って、なんて答えるか考えてました。

だってそういうときに一言でも安易なことを言っちゃうと信頼関係は簡単に崩れますからね。

いかにキラーワードを出せるかっていうことにめちゃめちゃ集中してました! 若い頃はそんなふうにクリエイターやアーティストが

やりやすい環境を作るっていうところまでしかできてなかったんですけど、

大事なのはできたものを売ることで、

人の心に届けるにはどうしたらいいか考えていくってことが僕の信条だったんです。

小松 相思相愛な関係で、松浦さんはすごくピュアに音楽を作っていられたんですね。

松浦 そうだねー!こっちもピュアな気持ちであるときに相手がそうでないと傷つくからね。

そういう点では四角くんはとてもピュアな人で一緒にできてる間は楽しかったよ。

ずっとスタジオに居たり、同じ空間に居続けるわけではなかったけど、

「僕らはちゃんと同じ船に乗ってる」って感覚がちゃんとある人だったね!

小松 なんかすごいシンパシーを感じながら仕事ができてたってことですよね!!

いいですねー!!

四角 僕も嬉しいですわー!

まさにその感じを理想にしてたので、うまくできてたならよかったです!



みんな空の下

四角 この曲が僕のプロデューサーとしての最後の作品ですね!

絢香もこの曲に活動休止になりましたけど。

これMVに松浦さんも関わっていただいたんですよね!

松浦 そうだね!このMVは色々と裏話があるわけで。笑

四角 これは音を全部その現場で一発撮りでやってます。

途中から入ってくるピアノも松浦さんが現場で弾いてるんですよね! 太陽が上がってくる時間とか考えて夜中の2時3時頃にやったんですよ。 すごい寒い時期で絢香だけ薄着で、

スタッフはみんなダウン着てニット帽被ってたりしたんですよね。笑

松浦 しかもワンカットだから失敗できないんだよね!

一切修正なしだしフリーでやってたからすごい緊迫感だったんだよ。

四角 弾いてる時はどういう気持ちでやってたんですか?

松浦 弾いてる時かー!

そうだな、とにかく寒かったけど歌聞いて始まっちゃったらどこに居るとか関係なかったかな。

絢香と僕だけって気分!

小松 あの、2サビ前にピアノのサスティンがすって消える瞬間があって。

その瞬間に全部が裸になって次の瞬間にはキラキラし出す時があったんですよ。

それでその時に、このMVは絢香からのお手紙なんだなーって感じたんです!

なんかすごく泣きそうになりました。

四角 まさにそうですねー!

僕は毎回見るたびに泣いてしまいますし、現場でも泣いてました。笑 絢香は誰かに1対1でメッセージを届けるつもりで

心を鷲掴みにするエネルギーがすごく長けてるなーというのが

より一層分かりやすく出てるMVになったと思いました!


・・・・・・・・


小松 まだまだ聞きたいことはたくさんありますが、今回もお時間となってしまいました。 ぜひまたお話を聞けるのを楽しみにしてます!ありがとうございました!

松浦 非常に楽しい時間でした!今日はありがとう! 四角大輔さんでした!

四角 ありがとうございました!!!


 

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