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執筆者の写真松浦堂

第八回松浦堂Meeting

更新日:2019年6月12日

2017.8.26 下北沢Circus


第八回松浦堂Meetingは前回に引き続き好評だった店主によるアレンジ解析コーナー!今回もコード解析や素敵な音の組み合わせをピアノで実演タイムなど。

後半には来場された方のオリジナル曲についてアレンジ解析をしました。



 

ま:こんにちは

こ:こんにちは!今回もようこそ起こしいただきました

ま:今回は第八回かな?結構やってきたね!

こ:そうですね!末広がり第八回です!

ま:それ今言おうと思った!末広がり!!松浦堂もどんどん広がっていくといいですね…

こ:そうですねー!!(笑

ま:8月も終わりってことで、みなさんお盆だったり夏休みだったり。

こ:そんな中、松浦堂にお越しいただきありがたいですね!

ま:そうだねー。みなさん、ありがとうございます!

ま:さて、なんだかずるずる始めてしまったけど、あれだね。先にご飯食べちゃったからなんだか落ち着いちゃってて頭が働かないね!(笑

こ:僕も今同じ現状に陥ってます。(笑

お腹いっぱいで、はーおいしかったー!ってモードです。いつもオリジナルでランチプレートをサーカスさんで用意していただいて、もう第3弾ですね!今回は松浦さんの大好きな鶏肉とじゃがいもをふんだんに使っていただいて

ま:もう、ほんと毎回おいしいんだよねー。このスペシャルプレート!今回はちゃんと夏っぽいし、食べ応えあるし。みんな、こっちがしゃべっていてもがんがん食べていいからね?

こ:ぜひ召し上がってくださーい!

ま:さてさて。今日はいかがいたしましょうか?

こ:今日はですね!前回の松浦堂Meetingを開催したときも大好評だったアレンジ解析コーナーをやりましょう!

ま:そんなによかったのね

こ:いや、そうですよ!アンケートとかにも「音楽の聴き方が変わりました」とか「より楽しめるようになった」とかいろいろお話しいただいてますから!

ま:嬉しいですねー!

こ:なので、ぜひ今回も引き続きやっていこうかっていうのと。あとは今回ご来場されてる方の中から楽曲を募集して、提供していただいてますので

ま:オリジナル楽曲をお預かりしてるのね

こ:そうです!その方のオリジナル曲のコードをアレンジアドバイスしていただくコーナーをぜひしていただきたいなと思いまして!

ま:なるほど。ではさっそく、頑張ります

こ:はい!よろしくお願いします!

ま:みんなはさ、よくある最新ヒット!売れるコード集みたいなのを見て勉強したりするのかな?

こ:僕はまさにそれです!

ま:まじかぁ…それはやめたほうがいいね!(笑

こ:王道コードとか。C、G、Emみたいな!それが売れるって書いてあったから、当時は全部それで曲書いてましたよ

ま:そんなことしてたら、みんな「let it be」になっちゃうじゃんか

こ:みんな「let it be」になってました。一応カポつけてやってみたり…

ま:カポつけてキーが違えば進行一緒でもいいだろ的なやつかー?

こ:そうですね!あとは、アクセントの場所を変えたり…(笑

ま:そうなんだー(笑

こ:はい。え、みなさんも勉強しましたよね?

(会場:頷き)

ま:みんなそうやって勉強するんだね

こ:そうですねー。僕は音楽やりだしたのはギターからなんですけど、とりあえずはC

から弾けるようになるんですよ。多分みなさんも同じだと思うんですけど。

そこからC→G→Amっていう感じで、形がちょっと似てるんで覚えやすかったものは一通りできるようになるんですけど。次にFが来るじゃないですか

ま:Fがくるね!そこでつまづくよねー

こ:そう。Fがきて、一旦挫折するんですよね…。でも僕はそこで、1人で部活みたいなテンションになって。『それが弾けなきゃ全国いけねえぞ!』みたいになって。頑張って覚えたんですよ(笑)

ま:部活かー(笑)ちなみにGがDだったらFを出さなくてもコード的にはなんとかなるよね?

こ:でも最初に覚えちゃったのがCなので、Fなんですよ!

ま:ほら!そこがなんかキーボード的だよね!日本人は割とそうなんだけど、アメリカ人とかはみんなDとかGから覚え出すからねー

こ:そうなんですか!

ま:うん。だってギターで一番覚えやすいのはD、Gだからね

こ:あー。たしかにDもGも楽ですね

ま:だって、ジェームス・テイラーとかもそうだもん。全部Dで弾いてるし

こ:あー!…(硬直)

(会場:笑)

ま:ん?なんか、どうした?(笑)

こ:…いや。僕はジェームス・テイラーじゃないなぁと思って。

ま:そうね。まぁ、みんなCから覚えたら。C→Fってなるじゃない?そんでギターをやりだした人はだいたいFで挫折してやめるじゃない?

こ:そうですね。やめちゃうんですよ

ま:だけど、それはピアノ的な発想だよね。白鍵だけでやろうとするから。DとGならそうはならなかっただろうけど

こ:あの、僕自身は弾き語りセミナーとかやらせてもらうんですけど。弾き語りのセミナーだって言ってやってるのに、みんなFの弾き方はどうやったら綺麗に弾けるんですか?って人が多くて。弾き語りセミナーでFのコードの弾き方だけ教えて帰る。っていうことがありまして…

ま:なるほど!まあね。Fで突っかかるようじゃ弾き語りにくいってことなんだろうね。

こ:引っかかると弾き語りにくいですよね!めげちゃいますよねー。でも、コード進行のバリエーションっていうんですかね?僕はCから入ってる人なんで、そこからだんだん派生してCキーからでもB♭にいけちゃう?とか。B♭の中にも、そのキーの中にある音なんだーって。

ま:ほー、なるほど。

こ:最初はC、G、Am、Fだけで曲を作ってたんで、そこにB♭って音が使えるとかGmもいけるとか。いろいろな組み合わせをするだけでずいぶん曲の雰囲気が変わるなっておもったんですよ。で、その組み合わせの仕方が自分の音楽的センスだなってなったんですけど、それが無限すぎて…実は「どうしようかなぁ…」ってすごい悩んじゃうんですよね

ま;そうなのね。

こ:みなさんも悩みますよね?

(会場:頷き)

こ:一緒に悩みましょう!(笑)

(会場:笑)

こ:だから、晃久松浦はどうしてるのかなー?って気になっちゃって

ま:そかそか。あのさ、すごい概念的な話から入っていい?

こ:はい、概念とは?

ま:コードっていうのはさ、非常に便利なんだけどものすごく暫定的っていうか。要するに、なんて言ったらいいかな…音楽の構造ってね、ってそんな大それたことでもないんだけど!例えば、譜面ってね、右から左に流れていくじゃない?

こ:はい

ま:それって右から左に進みながら、音程と時間軸を表してるよね。譜面っていうのは音楽を図面化したものなんだけど。んー、なんていうか、音楽って時間芸術だからさ。

始まってからその曲が終わるまでの時間って必ずかかるわけで

こ:そうですね

ま:例えば、そこに掛かってる絵があるでしょ。絵っていう芸術表現は、そこに存在していてその前に人が立ってぱっと見る場合もあるし、気に入ったらじーっと見ていることもできるわけで。つまり、絵は鑑賞する側のタイミングで見ていいし、好きなタイミングで見終わっていいものだから時間に関係ない表現なんだよね。でも、音楽はそうじゃなくて、途中から聞くと始めの方は聞けないでしょう?コンサートで遅れて入ってしまったときに、1曲目の途中なのか、はたまた2曲目になってるのか分からなかったりするよね。同じように曲の中でイントロどうだったんだろうって聞き逃しちゃうと戻れないわけよ

こ:そうですねー

ま:それで、何が言いたいかっていうと、音楽は絶えず横に流れていくものなんですよ。横にっていうか、時間の経過と共にっていうのがいいのかな。前の時間がって、今の時間があって、後の時間があるっていう連続する時間軸の中に今聞いてる一瞬の音があるから。繋がってる時間の中に音楽の表現があるんですよね。

こ:はい。まさにそうですね!

ま:ここでコードの話に戻るんだけど。コードっていうのは、譜面とか最近の歌本で歌詞の上に載ってたりするものは、流れゆく時間の中にある一瞬の音を縦に切り取ってここに並んでる音の配列はこういうものですよって書いてくれてるのがコードなのよ。次のコードは次に来る一瞬の音のことだったりね。

だけど本当は音楽っていうのは流れていくものだから、コードとコードの間は繋がってるんだよね。最初のコードが起こした現象が次のコードに移って、さらに次のコードにも繋がっていくわけだよ。本来はそのつながりを表したいんだけど、便宜的にコードはここの場所ってサンプリングすることで『間を想像してくださいね』っていうのが、コードの本来の表記になるわけで。音楽理論とかもコードと同じで、便宜的に誰かが開発してくれたものが多いんだけど。誰かが作ってくれたものがあると、後の年代の人は開発してくれたものが当たり前のようにあるもんだって思って音楽を始めるんだよね。

こ:はい。それ、俺です。(笑)

ま:そうなのね。(笑)そうすると何が起こるかっていうと、順番が間違っちゃって先にコードを覚えるから横の流れが分からないままになっちゃうんですよ

こ:はい!それ、俺です!分からなくなってます!!(笑)

(会場:笑)

ま:そういうことにみんな陥って、『売れるコード進行ってなんだ』って話になっちゃうわけで

こ:はい、俺ですね!!!(笑)

ま:つまり、『売れる記号の順列と配置はなんですか』って話になっちゃうんですよね!

こ:そうなんですよ〜(小声)

ま:これにはほとんどの人が陥ってると思うんだよね。

こ:陥ってるんですよ〜。抜け出すの大変だった〜(小声)

(会場:笑)

こ:抜け出すのに8年かかったんですー

ま:そんなにかかったの?(笑)

こ:はい!

ま:そうなんだ。でね、コードはどうしたらいいのかって悩むのはいいんだけど、その概念というか、『コードっていうのは横に並んでるものなんだ』って思ってる人はそれを一旦取り払うといいね。音楽っていうのは、言ってみれば『素敵なメロディの組み合わせ』みたいなもので

こ:えー、はい。…ん?はい(笑)

ま:全部歌えれば、一番言うことなしだよね?

こ:ん?はい、そうですね

ま:例えばさ、簡単なメロディがあるとするよね。

それにハモろようよってなったときに、ただ下の音でハモる時と上の音でハモる時と、

ちょっとアレンジする音でハモるパターンがあるじゃない?

こ:なるほど。いろんなパターンがありますよね

ま:そう。これが繋がっていくと和音になるでしょ?ちょっと音が増えたりして


〜ピアノで実演〜


こ:ちょっと…もう一回弾いてもらってもいいですか??

ま:いいよ

〜ピアノで実演(アレンジ)〜

こ:なんだか、弾き方次第で大人なムードが漂ったりしますねー!

ま:いろいろあるよ。これは何をやってるかっていうと、いきなりバーンって弾かれても分からないと思うから説明するんだけど。メインのメロディに対して、クラシックで言うバス課題っていうのがあるんだけど、左手でベースをつけたんだよね。それもいろんなパターンのバスがつけられるのよ


〜ピアノで実演(両手で演奏)〜


こ:何今のー!最後の方かっこいい感じ!

ま:バス課題の逆でソプラノ課題っていうのもあるんだけど、これはみんながよくやるやつね。バスの音(左手)は決まったメロディでソプラノの音(右手)でアレンジするんですよ

こ:はい、よく聞くやつですね!

ま:クラシックの理論の話をしたいんだけど、そもそもコードってジャズの理論なんだよ。ジャズは間を自由にやりたいからコードっていうものを作ったのよ

こ:なるほど!じゃあ、コードはジャズが発祥なんですね!

ま:そう!決まったコードがある中で、好きにアレンジできるように


〜ピアノで実演〜


こ:素敵なメロディがつけられるんですねー。すてきだなぁ…(笑)

ま:一方、クラシックって曲が先にあるでしょ?だから、その先にある曲に対して『この楽曲はこういうふうに、ちゃんとハーモニーの流れになってますよーって概念的に捉えてくださいね』ってしているのがクラシックの理論なのよ

こ:ジャズとは全然違うんですね

ま:アプローチが真逆なんだよね。クラシックは、曲があって、自分のいない場所でも後世の人たちが譜面を見て音楽ができるようにするって大事な意味合いを持ってるんだけど、ジャズの場合は、コードがあって、縦の線は揃えておくので横の流れは自分で考えてくださいねってかんじなのよ。

こ:はい…

ま:クラシックは曲が決まってるけど、ジャズはコードはあっても、決まってない音も弾けるじゃない?

〜ピアノで実演〜

こ:そうですね。まるで雰囲気が違う!

ま:コードっていうのはね、全部の音をコードで書いちゃうとぎっしり書かなくちゃいけなくなるわけで、逆に言うとコードは書いてあるもの意外にも音の間の流れがあるんだってことなんだよね。その間の流れは、『曖昧にコードが書いてあるけどいろんなメロディがあるからあとは自分で考えてね、よろしくね』ってことなの。素敵なミュージシャンはそれを感じて「じゃあこういう流れでやろう」って思えるんだよねー

こ:はい。すこいです…

ま:じゃあ…なんか、こんな感じで弾いてとかある?

こ:えー!やってもらえちゃうんですね!じゃあエロい感じでとか…

ま:エロい感じ(笑)

〜ピアノで実演〜

こ:わー!確実にグレーのスーツを着てる大人な雰囲気の音だ!すごい!!!みなさん、聞いててわかってると思いますけど、さっきから弾いてるコードはずっと同じ音ですからね!

ま:これを西海岸風とか、南っぽい感じとかいろいろあるわけですよ

〜ピアノで実演(いろんなアレンジ)〜

こ:わーやだなにこれ…(笑)

ま:これは同じコードだけど、そのコードを元に、この曲だったらこういうニュアンスのテンションと音のボイジングでやったらいいんだよねって組み合わせを気にしてるだけなんだよね。コードをよりよく知るためには『間をどう読み取るか』っていうのが大事なことってことなんだけど分かったかな?

こ:分かりますー!たくさんいろんなバージョンで弾いていただいたので!

ま:とりあえずここまでで質問あるかな?

こ:うーん…

ま:こんな馬鹿げたこと聞いてもいいのかな?ってことでもいいよ!みんながどれくらい腑に落ちてるかっていうのを知りたいからさ

こ:なるほど。あ!質問あるみたいですね。はい、どうぞ!

会場:バリエーションについてなんですけど。同じコード進行で例えばこんな感じっていろんなアレンジを弾いていただいたのですが、どうやって習得していかれたんですか?

ま:あー、なるほどね。まず、いろんな楽曲を聞くことかなー!それこそ、なんでも「let it be」になっちゃうじゃんかってさっき言ったことも関係してくるんだけど、同じコードでいろんな人が作曲してたり、同じ曲をいろんな人がカヴァーしてたりとか全部ひっくるめて、音楽のスタイルっていろんなスタイルになる理由があるわけですよ。

つまり、フレーズもコードのボイシングもそれぞれの楽器にあった特性になってるんだよね。カントリーミュージックだったら、ピアノスタートで始まることはなくてギターを使う音楽のスタイルだから、Cからではなく自然とDスタートになったりね。そうするとギターで弾きやすい音になるじゃん?

〜ピアノで実演〜

こ:なるほどー!なるじゃんって意味がわかる!(笑)

ま:逆にブラックミュージックは、ピアノスタートが主流だからDじゃなくなるんだよね。なぜか、ピアノスタートなら白鍵のほうが弾きやすいはずなのに、ブラックミュージックは黒鍵メインになってD♭とかになるわけですよ

〜ピアノで実演〜

こ:たしかに。この音階が好きなんですね

ま:そういうのが弾きやすいフレーズになってるんだよね。カントリーでは使わないような

こ:はー…全然違いますね!すごいんですけど…

ま:これをどうやって覚えたかっていうと、自分の好きな音楽を聞いていて、どうなってるんだろうって探っていくうちに、そうなってるんだーって気づくというか(笑)

〜ピアノで実演〜

こ:うーん。探っていくうちに…

ま:なんていうんだろうね。探っていくうちにいろいろ気づいて覚えていくしかないんだよねー

こ:はい…。みなさん、分かりましたか?(笑)

(会場:笑)

ま:例えばね!ビートルズなんてすごいんですよ。とてもじゃないけど、恐ろしいコード進行を作ったわけで。僕の中でコード革命を起こした人がいると思ってるんだけど、中でもビートルズと松任谷由実は別格にすごいと思っていて。ありえへん!って思うんだよね(笑)

こ:へー!じゃあその「ありえへん」をお願いします(笑)

ま:え、弾くのね。ビートルズの曲の中で「Here, There and Everywhere」っていうのがあるんだけど

〜ピアノで実演〜

こ:この曲知ってます!

ま:この曲すごくない?!理論的に考えられる転調のパターンが全部入ってるの

こ:え?どうゆうことですか??

ま:つまり、こういう論理で転調が行われますっていう理屈って3つあるんだけど。トニック変換っていう下の音が変わらないものと、ピボットって簡単に言うと乗り換えみたいなもので、電車なら新宿駅とか代々木上原駅とか笹塚駅みたいに同じホームに降り立ってから向かいのホームで違う路線に乗り換えられるみたいな?

こ:なるほどなるほど!なんてわかりやすい説明ですか!(笑)

ま:そうでしょ?それがピボットっていうんだけど。最後の1つは突然転調ってやつで、いきなり何が何だかわからないけど闇雲に飛んでやったぜ!かっこいいからいいだろっていうもので。それぞれ3つあるんだよね。突然転調が一番厄介なんだけど、小室哲哉がよく使ってるんだよね。

こ:あーなるほど。経過音とか何もなく変わりますもんね

ま:そうそう。いきなりそこ?ってなるやつね。(笑)

急に理論の話になっちゃうけど、ピボットの乗り換えっていうのはね、キーがCのときのダイアトニックコードがあって、ダイアトニックコードってCのスケールの中で成り立つコードのことなんだけど。例えば、Cキーで使われてるコードで違うキーでも使われてるコードがあって、Gキーの時にも使われているものもあるでしょ?

〜ピアノで実演〜

こ:そうですね。同じコードがありますねー。

ま:これがピボットになるんだよね。それをうまくやると、FM7のキーのスタートはCキーの4つ目の音と同じなんだけど、4つ目の音を弾いた時にそれをFM7の1つ目って思えばその次の音は自然とFM7のキーの続きにすんなりいけるんだよね

〜ピアノで実演〜

こ:本当だ!めっちゃ自然!

ま:どんどんいけちゃうんだよねー!

〜ピアノで実演〜

こ:そういうことなんですねー。でもそれが楽曲で使われてるっていうのはどういうことですか?

ま:今弾いたかんじのすんなりいけちゃうやつピボットも、突然転調もHere, There and Everywhereでは全部できちゃってるんだよね!聞けばわかるんだけど

〜ピアノで実演〜

こ:えー!本当だ!すごい!!

ま:でもね、これ全部考えて作ってるわけじゃないんだと思うんだよねー。

たぶん、弾いて試してるうちに気持ちよくできちゃってるんだと思うんだ

こ:(笑)なるほどですねー!発見なんですね…

ま:きっとそういう感覚が分かってなんでもぱぱっとできちゃうんでしょう?って

思うかもしれないけど、そんな人ほどものすごーく考えてるんだろうなって

こ:え、はい…

ま:え?だから、ほとんど赤ちゃんみたいな感覚なんだと思うよ

こ:え?ごめんなさい、何言ってるんですか?(笑)

(会場:笑)

ま:だからー(笑)えーと、なんていうかアレンジするにもすごい迷う時もあってさ。

こ:松浦さんでも考えるんですね

ま:僕の場合は、コードから書くんじゃないんだよね。譜面は一番最後に書くかな

こ:へー!そうなんですか!

ま:アシスタントしてくれてる子はよくわかってると思うんだけど、全部出来上がってから次の日レコーディングですってなってから書き出すんだよねー。えーっとここの音どうやって弾いてたっけ?なんて言いながら(笑)

こ:その光景よく見るかもしれない…(笑)なるほど!

ま:絢香に書いたやつでさ…なんだっけ、忘れちゃった(笑)

〜ピアノで実演〜

ま:コードにすると簡単なんだけど、まずこんな感じで弾いてからどう書こうかな…みたいな

こ:わぁ〜…(笑)

(会場:笑)

ま:つまり、曲に対してコードを変えるときはその逆のアプローチをすればいいってことなのよ。メロディが決まってるんだから

こ:なーるほど!さっき言ってたバス課題っていうのをやればいいんですね?

ま:そうそう!例えば、ジングルベルだったら右手はミの音から始まるからバス課題はCキーなのが普通なんだけど、コードを変えたいときは敢えてDm7から始めてみたり

〜ピアノで実演〜

こ:おー!すごい!この話すごくない?!

(会場:頷き)

ま:雰囲気全然違うでしょ?で、さらに変態になっていくとB♭7に合わせてみたりね

〜ピアノで実演〜

こ:わぁお。変態!すごい…

ま:ここまでいろいろできちゃうんだけど、あとはプロデュースの話になってくるんだよね。いくらいい感じに弾けてもこのアーティストにはそぐわないかもなぁ、とかいろいろ考えて場合によっては使ったり使わなかったりするわけですよ。

こ:なるほど…。すごいですね

ま:ひとまず、アレンジの話はこれくらいでいいかな?

こ:そうですね1お腹いっぱいです(笑)

そうしたら、このあとは提供していただいた方の楽曲アレンジ解析コーナーに移りましょう!ありがとうございました!

ではでは!今回は2名の方の楽曲があるので、歌詞とコードを見せていただきながらやっていきましょう!

ま:はい、よろしくです。早速聞いてみようか

〜1曲目『エンドレスストーリー』視聴タイム〜

こ:ありがとうございます。どうでしょうか?

ま:ちょっと待ってね(コードチェック中)

こ:はい。これはいつ頃書いた曲なんですか?

作者:これは1年前くらいです。

ま:今、僕が何やってるかっていうと、曲を聞いてそのメロディにコードを当ててあるのを確認してるんだけど、なかなか難しい表記のものがあるからなんて表したらいいかなってことをやってます。

こ:なるほど

ま:なんかこの曲で聞きたいことってありますか?ここはどうにかならないかなとか…

作者:そうですね。今、全部3和音で作ってるあるので、4和音とか違うコードとか複雑にアレンジできたらなと思うんですけど…

ま:あー!なるほど!じゃあ見てみようか

〜ピアノで実演〜

ま:メロディと関係してくるからな…例えば、ベースだけ変えて上の音は変えずに残すとか。さっき言ってた横の流れで考えるやつなんだけど、コードを縦の線で考えちゃうとこの音にはどんなテンションでハマるかなってなっちゃうんだよね。そうじゃなくて、この音ならこんな感じ?っていろいろ探してみるというか…

〜ピアノで実演〜

ま:僕もいつも探してるんだけど、この曲の場合上の音のことを考えてあげるとわざわざ変えなくてずっと同じ音でもありなわけですよ。そうするとコーラスの音もできるじゃんってなってきたりね。いろいろ弾いてみた後に、この音はなんのコードだ?ってやったほうが、自分の気持ちとか感情をこの曲でどう表したいかってうまくできると思うんだよねー。すっきりした音にしたいのか、ちょっと敢えてもやっとするのかとか

〜ピアノで実演〜

ま:上の音を変えないままでこんな感じで弾くと、すっぱりしてていいよねー。悪く言えば幼稚な感じなんだけどさ、よく言えば素直でストレートな感じの音なわけですよ。

こ:はい。そうですね

ま:でね、今どんな気分かってなってくるんだけど歌詞に添うならば『もう一度壊れそうな〜』って言ってるから、こんな素直に竹を割ったようなおとじゃなくていいってなっていくじゃんか?

こ:そうですねー!もっとなんか、あーどうしよう!って気持ちになる音でもいいかもしれない…

ま:そうだよね!そうなるともっと迫ってくるようなリズムとコードになったりさ

〜ピアノで実演〜

こ:なんか今のドキドキしますね!

ま:こうなってくるとギターはずっと上の方で同じメロディを弾いてたりさ

〜ピアノで実演〜

こ:その音聞こえるなー!ずっと続いてくような感じで!

ま:そうやって、いいじゃないかー!って思えるような曲になってくと思うんだけど…大丈夫かな?伝わるかな?

こ:なってると思います!タイトル通り、エンドレスストーリーになってく!

作者:大丈夫です!すごいよくなってます!

こ:いいと思うー!…って俺は誰なんだって話ですけど(笑)

(会場:笑)

ま:そう?でもおっしゃる通り、エンドレスストーリーになってくよね。

つまり、みんな音楽を作るときにさコードのことを考えるとコードのことだけになりがちなんだけど、音楽ってそうじゃないじゃない?そもそも作ってるときはメロディのことも考えたり、コーラスのことを考えてたりもするんだから

こ:そうですねー

ま:どういうふうに表現したいのかって考えて作るものなんですよ。曖昧な感じがいいのか、すっぱりしてる感じがいいのか…とか


〜ピアノで実演〜

ま:こんな感じで、怒ってる風とか迷ってる感じにもできるわけで

こ:すっげぇ…こうなってくると、アレンジも変えますよね?

作者;そうですねー!まるっと変わると思います

こ:ですよね!今のアレンジのままコードだけ変えればよくなるって話じゃなくなりますよね!

作者:はい…雰囲気が違うのでアレンジも変えなくちゃってなりますねー!

ま:いろんなことがちょっとずつ関係してるから、コードの話からどんどんアレンジが広がってきて…って感じで僕はアレンジしてるんですよ。コードのことをちょっと整理するだけで、おのずと弦のこととかギターやベースのことも関係してくるからサウンドはどうしてらいいかなーって。そんな感じです

こ:そんな感じです…って(笑)一筋縄ではいかないわけですね。

ま:そうなのよ。…他にも、ここは気になるってところあるかな?

作者:他に…大サビがあるんですけど、盛り上がりに欠けるというかもっと盛り上がるようにするにはどうなるかなって思います!

ま:なるほど。聞いてみようか


〜『エンドレスストーリー』大サビ視聴タイム〜

ま:持っていき方もいろいろあるけど、どうするかな。僕だったらどう表現したいかっていうと、このあとはすっきりしたいから大サビは敢えて行き切らない形にしたいかな。なんていうか、いけずなかんじ?

こ:いけず!(笑)

ま:テーマ的にはね。ちょっともどかしくて寸止めな感じの方がいいのかなって


〜ピアノで実演〜

ま:書いてあるようなコードでやっちゃうと説明しすぎだから、ベース音だけうごかしてさ。それとちょっと後半を切り替えて変わった感じにしたいから、今まで使った流れじゃないコードの動きにしたり


〜ピアノで実演〜

こ:おー。いけずなかんじしますね!

ま:そうするとサウンドも広がってくんだよねー。よく自分でもやるんだけど

こ:で、このあと落ちサビきますけど、落ちたくなくなりませんか?

ま:そうだねー。だから、大サビで行くぞ!と見せかけて一瞬ブレイクして戻ってみたりとか。それは前回かいつかの松浦堂で説明したエネルギーの話につながってくるんだけど

こ:エネルギーのコントロールも関わってくるんですね!

ま:どこで止めて、どこで流すのかっていうね

お:わぁ…音楽って超楽しい!!!

(会場:笑)

ま:いろいろと紐付いてきちゃってわかりづらい説明になってたらごめんね。聞かれたことだけ話せればいいけど関係してくるからさー。こんな感じでどうかしら!

作者:はい!ありがとうございます

こ:他にご質問はありますか?

作者:そうですね…僕はピアノが全く弾けないんですけど、松浦さんのように鍵盤でアレンジしたい場合はどうやって練習したら近道かな…と思うんですけど教えていただけますか?これから頑張っていきたいなと思ってまして!

ま:えっとね。どういう本見て練習してるかわかんないけど、コードの押さえ方教本みたいなやつでやってるのかな?

作者:ギターは弾けるので、ギターで弾いてみて鍵盤に置き換えて…という感じです。

ま:それだったらいいんじゃない?ギターはギターでピアノとは違うープンコードがあって解放をうまく使って…とかを楽しむ楽器なので、今みたいにわかりやすくコードを覚えて弾くっていう使い方ではなかったわけで。ようするに、ピアノでもコードを押さえるだけで和音だけではなく横の流れを感じながら探すような練習すると、ハーモニーが広がるのでオリジナリティも生まれるし、自分の好きな響きができるようになって上手になってくよ。そうすると、弦のこととかいろんなことに繋がっていって便利だし、手の形だけで覚えなければ大丈夫だと思います。

こ:なるほど。僕にも当てはまるから気をつけます…。形だけで覚えない…(笑)

作者:ありがとうございます!頑張ります!

こ:はい、では次の曲に行きますね!

ま:聞いてみようか。ベースを弾くんだっけ?

作者:はい!ベース奏者です!


〜2曲目『月がキレイで』視聴タイム〜

こ:ありがとうございます。これは聞きたいっていう質問はありますか?

作者:ベースの弾き語りなので、押さえる限界値もあるのでダイアトニックコードから外れた弾き方はあんまりしないんですけど

ま:なるほど。逆に、今思ったのはあんまり音を動かさない弾き方でもありかなって


〜ピアノで実演〜

ま:バスの音を動かしてるだけで自分でリフを作ってあげたりしてね。そうするとさっきの話じゃないけどサウンドが広がるしねー。ベースなのに無理してギターっぽい弾き方をしないというか。そんな発想はどうかな?

こ:なるほど

ま:サビのところでもF♯mを使ってるけど、Fにするって考えた方もありかな。そうすると今までにないコード感になるからサビっぽさが増すような感じでね。どっちが好きって感じるかだけどねー

〜ピアノで実演〜

ま:今までの共通音だけじゃなくなって、一気にがくっと並行移動したハーモニーになってインパクトがあって違った展開がきたぞ!って感じに聞こえるようなアイディアもあるけど。小松どうしたの?(笑)

こ:いや、なんでもないです。ギター触りたくなっちゃって(笑)

(ギターを持ち込む)

(会場:笑)

ま:ベースってフレット感が大きいからギターと違って弾きづらいところもあるけど、

ハーモニーにしなくてもフレーズで弾いちゃえばかっこいいよね。

自分の使ってる楽器の特性を生かすことが大事かな

作者:はい。ありがとうございます!

こ:他に質問ありますか?

作者:大丈夫です!ありがとうございました!

ま:弾き語りをやってる人ってギターならずっとギターを弾いてるんだと思うんだよね。そうするとなんでそういう音が思いつくかなー!てことがでてくるわけで。

ちょっといい?(ギターを小松からもらう)

〜ギターで実演〜

ま:こんな感じで遊んでて作ったような。お?次いけちゃうなー!いいねー!みたいな

(笑)センスの問題になっちゃうけど

こ:かっこいいー!!

ま:ベースでも同じでさ。スティービーワンダーとかも楽器を触ってどんどん作っていってるんだろうね。

いい意味で、スティービーワンダーは目が見えないっていいなって思ってくるんだよ。あの人の感じてるものがそのまま音になってるからさ。見えないから聞いてたり触ったものを全て感じたものを音にできてるからいいなって

こ:なるほど!

ま:ちょっと脱線しちゃうけどふだん、自分が知らないからできないことがあるって凹むこともあるんだとおもうんだけど。今あるもので何ができるかってことの方がいいと思うんだよね。いろいろ知ってます、できます、じゃあ個性はどうするの?ってなっちゃうよりも、今出来る限りの事をした方が個性も出るし、いいものができるかもしれない可能性を秘めてるからねー

こ:そうですねー

ま:ちなみに玉置浩二さんはコードなんて分かってないからね!これいいね、弾いちゃおう!やっちゃおう!みたいなノリでやっちゃうからね

こ:そうなんですか(笑)

ま:そのまま一緒にピアノ弾くなんてこともあったし、ついてくのに大変だったりするんだよ。コードがわからないから押さえ方もわからないってことで、ハチャメチャだったりするんだけどね。感じたままに弾いてみて流れをつかむみたいなところがあるから聞いてる人もわかりやすかったりするわけで…ってけしてコードを譜面化しなくていいって推奨してるんじゃなくてね!もちろんちゃんと書いて人に伝えることも大事なんだけど、そういう感性が長けてる人もなかにはいるよってお話です(笑)

こ:それはまたすごい話ですねー!!

ま:だいぶ脱線しましたね(笑)

こ:そうですねー。楽曲提供してくださったお二方、ありがとうございました!

ま:ありがとうございました!

こ:はい、ということで休みも少なくほとんどぶっ通しで話続けてしまいましたけど、あっという間でしたねー

ま:今回もあっという間に時間になっちゃいましたねー。いつもこんな感じでいいのかな?って思うほどしゃべりっぱなしだけど大丈夫でしたか?

(会場:頷き)

こ:皆様楽しんでいただけたようで嬉しいですね!

ま:次は何しようか?

こ:今回のアレンジ解析も皆様からアンケートで回答していただいたものを元に開催することになったので、どんどんこれやってほしいなっていうものを教えてください!

ま:なんかやりたいってかいてあったやつあったよね?みんなで即興ソングを作ろうとか?

こ:そうですね!即興ソングもそのうち企画しましょう!ひとまず今回の松浦堂はこれにてお開きとさせていただいます。お越しいただきありがとうございました!

ま:ありがとうございました!

 

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